三自衛隊を精力的に取材し、連載を続けている杉山隆男の第二作目である。
本作は航空自衛隊に焦点をあてる。
最初に目を引くのはやはり、F15戦闘機のパイロットたちの姿だろう。
あるいは九州にある飛行教導隊の存在だろうか。
杉山自身がF15に体験試乗し、その模様を報告するくだりも実に興味深い。
感動的なのは、救難活動に配転された戦闘機乗りの章である。
単なるお涙頂戴に終わらせるのではなく、自衛隊の人命救助の「現状」、
問題点をさりげなく指摘している点が実によい。
それだけではない。米軍との機器の「共有化」、
仕様の共通化の模様が書き記されている点を読者は読み落とすべきではない。
時折自衛隊がらみの論評で鋭い指摘を行う杉山であるが、
一本筋の通った主張の「根拠」がそこに見出されるのである。
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